古い町並みの中に建てられたI様邸。
新築プラン途中段階からの依頼で、外構を含め相談を受けました。
古い町並みで町家が立ち並ぶ場所に建てられた木の家。建て方は昔と違いセットバックして建てられています。
外に張り出してウッドデッキが作られる初期プラン。最近の住宅によくウッドデッキが作られるのですが、ウッドデッキが有用な場所もあれば、ウッドデッキを作っても使われない場所もあります。今回のI様の庭の場合。スペースが狭く、ウッドデッキを作ってもそれほど広く取れませんでした。
中途半端なサイズのウッドデッキを作ってしまうと、庭のスペースが取れません。
ウッドデッキのデメリット。
よく相談される際にウッドデッキもつくりたいという相談は受けます。
何に使われますか?と聞いてみると、BBQしたり…。という意見が最も多いです。ただ実際に作ってみると分かることですが、BBQをデッキの上ですると油などがこぼれたりしたら汚れてしまします。結局下に降りてすることが多い。というのが実際に作ったけど使わない方の意見です。
合わせてよく思うことですが、ウッドデッキは地面からの高さが上がります。上がるということは周辺のプライバシーが確保されていないと、上に上がった分だけ周辺から見えやすくなってしまいます。結局デッキの上でくつろぐイメージどおりに使われるケースはプライバシーに配慮された建築プランであることや、ロケーションが良い場所など、限られているといえます。
当然広いデッキは傷みやすくなります。風雨にさらされるデッキは木材でやった場合傷みやすくなります。
今回のI様の場合も、広くデッキを取りたいという要望を出されており、プランでも張り出したプランになっていましたが、場所を見てここではプライバシーが確保しづらいので、広いデッキを作るより、庭のスペースを広くしてデッキの代わりに軒下に収まる縁側にするのが良いのではないでしょうかとおすすめしました。
縁側があるだけで、座って足を投げ出して外を見たり、ベンチのように使えたりなど以外に使えますし、予算は抑えられます。また風雨にさらされにくくなるので、軒が大きく出た建築の場合は縁側のほうが傷みは圧倒的に減ります。
排水の問題
土地の排水の悪さも最初からの懸念材料の一つでした。工務店の方の対応として雨水桝を設置して、そこの雨水桝に向けて勾配を取り雨が集まるようにとされていましたが、この土地の場合はもともとは排水が良かった土地でしたが、重機などが入って締め固められたせいで水が浸透しなくなっただけでしたので、ほぐすことで簡単に解消することが出来ました。
庭の植栽の位置も、プライバシーへの配慮(マンションや周辺建物からの視線を和らげる)ということ。
緑が少ない町並みへ緑を提供できるように道路に寄せて植える提案をしました。塀とのセットで周辺からの視線も和らげる効果もあったのでいい位置に配置出来たのではないかと思います。
工期の関係もあったので、今回は決まっていたカーポート、アプローチなどは工務店側にお任せすることにしました。
建築:田代工務店
外構・塀など:田代工務店
外構プラン、庭:リビングソイル研究所